
AIの急速な進化が社会の運営を効率化している一方で、人間の「ホームベース」としての体験や人間関係の価値が徐々に失われつつある。宮台信じさんは、80年代以降の社会変革が「コンプライアンス」の目的化を引き起こし、技術依存が進み、人々の体験や感情の価値を排除してきたことを指摘する。その結果、AIが人間の体験を代替する一方で、子どもたちはAIが「体験を持たない」ことから、人間らしさを直感的に理解している。しかし、AIが提供するは「効率性」や「情報の正確性」に過ぎず、真の人間的感動や他者との深いつながりを再現することはできない。そのため、人間の価値は「体験の豊かさ」と「他者との関係性」にあり、AIと対抗するのではなく、自らの身体性や感情、人間らしさを大切にし、人間としての価値を確立する必要がある。この視点から、幸せな人生を送るためには、他人との関係を大切にし、心の安らぎや感情の豊かさを重視する姿勢が重要だと述べている。